ほかにない場所

早朝から焙煎機に火を入れる。めっきり涼しくなって気温14度。
今日も私は熱風焙煎機を使う。
アイドリングに充分時間をとる。およそ1時間。
それでも一釜目は気を使う。
焙煎は熱量のバランスが大切で、アイドリングを
充分していないと一釜目途中、無理が出る。

焙煎機には直火式焙煎機、半熱風式焙煎機、熱風式焙煎機とある。
要は網焼きかフライパンか熱風を当てるかの違いである。
当店は其々にあるので、煎り方が全て違う。
最近のバリスタには、半熱風式と熱風が人気があるようである。
『計時変化がゆっくりとしている。』『組織が壊れにくい。』
『味が柔らかい。』etc・・・と言う理由らしいが、根拠は乏しい。
確かに其々に同じ煎り方で焙煎すると味の違いは、はっきりとしているが
比較すること自体に無理がある。

今日も柔らかく火の通りのよいホンジュラスから煎り始める。
いつものようにブレンド用の豆を十数釜焙煎。
エル・インフェルト・ウノ農園 パカラマ種が到着したのでそれも煎る。
一昨年から毎年入れているが今年のは、粒が揃っている。
昨年、カップオブエクセレンスでグァテマラ至上最高額が付いたのも頷ける。
(明日から販売の商品。)2ハゼの数秒手前で煎りを止める。
焙煎機から出した時の煙からもシトラスの香りがする。明日が楽しみである。
もう一つ楽しみな事がある。

サンプルローストでニカラグアのジャバニカと言う品種を煎ることである。
エチオピア産のロングベリー起源の単一品種らしい。
以前に書かさせていただいた「エチオピア云々・・」を読んでいただいたのか
商社からエチオピアの現在の資料、はたまた友人からはモカ・ハラール
(ジェルジェルツーアビシニカ)まで送っていただけるお話まであり、少し楽しみに
なってきた。このジャバニカ、リモンシリョ農園のサンプルもどこかそんな「匂い」があるが、
それはさておき、楽しみな豆である。これも2ハゼの少し手前で煎りを止める。
豆の説明にカッピングのコメントが出ている。シトリックアシディティー(シトラスの酸味)
スーパークリーン&スイート、ジャスミン・・・など、確かに。
明日じっくりと私もカッピングをしようと思う。

私にとって焙煎室は、毎回初心に帰れる、ほかに無い場所である。