2023年7月 コロンビア旅行記Ⅲ

バジェデルカウカ  カリ(Santiago de Cali   Valle del Cauca)

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インマクラーダ(Inmaculada)農園

WBC(World Barista Championship)において、上位入賞者が度々同農園のコーヒーを使用したことで一躍有名となった世界有数のコーヒー農園。
コーヒーの世界でカルボニックマセレーションを初めて採用したのも同農園と言われている。
オーナーは、代々さとうきびやパームオイルのビジネスを行ってきた資産家ホルグインファミリー。
アラビカの祖先にあたるエウジェノイデスやスーダンルメなど希少な品種を、栽培しているだけでなく、資金を投入して最新の技術やアプローチで革新的なコーヒーを作り続けている。
7ロットカッピングしたが、プロセス含めベースのクオリティが非常に高い印象だった。
特にエウジェノイデスは、グァバジュースを飲んでいるような非常に特徴的な甘味があるコーヒーでゲイシャ以来の衝撃だった。
「コーヒーの3大原種」といわれている「アラビカ種」「ロブスタ(カネフォラ)種」「リベリカ種」。
アラビカ種は、カネフォラとエウジェノイデスの自然交配をしてできた品種であると言われている。要するにアラビカ種の祖先、今までの常識外のコーヒーである。
エウジェノイデスは、希少で全く商業ベースに乗らない。
今回、カッピングできたのは非常にラッキーであった。

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栽培品種

エウジェノイデス
アラビカ種の祖先にあたる品種で、特徴的な風味を有しており、 WBC2021において、ファイナリストTOP3が使用したことで一躍有名となる。
栽培が非常に難しく、1本の樹から150gぐらいしか収穫できない。
スーダンルメ
WBC2015において、ササ・セスティック氏がこのコーヒーを使って優勝した。
収量は中程度で、豆は大きくて長い。 甘いスパイス、フローラル、紅茶のような風味特徴を持つ。
ロウリーナ
ブルボン・ポワントゥとしても知られる、レユニオン島で発見された品種。
カフェインの含有量は、通常アラビカ種の約半分程度と言われている。こちらも収量は少なく、甘味があり、フルーティーでフローラルな香りが特徴。

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カウカ(Departamento de Cauca)

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エルサフィロ(El Zafiro)農園

100年以上前から先祖代々受け継がれてきた農園。
標高約2000m。ナリーニョと環境が似ており、近くに火山があるので土壌がよく、標高が 高く寒暖差で樹に適度にストレスがかかりチェリーに栄養が集まりやすい環境。
現在のオスカル氏とナンシー氏が受け継いでからは、様々な新しい取り組みを実施。その結果、2021年のCOEではカスティージョで堂々の3位入賞(1、2、4位はゲイシャ)。同じ年カウカの品評会でも3ロット出品して1~3位を独占するほどの好成績をおさめた。
2022年以降は残念ながらラニーニャの影響で生産量が10%にまで減少しており、競技会などには出品出来ず。
ラニーニャが終了したので、これから生産量回復を期待されている。
品種はカスティージョ以外に、ウシュウシュやゲイシャなどを栽培。
ご夫婦そろって向上心が強く、プロセスや品種など常に新しいことに挑戦されている。ナンシー氏は抽出についても勉強して、今後抽出の競技会にも挑戦したいと語ってくれた。
ブルーボトルでも何度も採用されており、同社内の品評会でも2度No.1コーヒーに選ばれた。

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Tecnicafe 組合

カウカを拠点にする生産者組合。組合員は現在173名(コロナ前は500名)。
有機認証物を得意としているが、残念ながらJASは辞めてしまっている。現在若い組合員を中心に、有機栽培のスペシャルティに注力している。
ハニー、ナチュラルアイテムをカッピングしたが、特徴的なアイテムが多かった。
品種もカスティージョ、バリエダ以外にゲイシャ、タビ、スプレモ種など希少品種にもトライしている。
組合代表のルセルバ氏、若手のリーダー アンドレス氏は生産者にカッピングの指導もしている。

Tecnicafe 組合でゲイシャ種とタビ種を買い付けしました。

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ポパヤンからサンアグスチンへ車で移動。
風光明媚な国立公園を通る。

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