【番外編】“カブ”の厨房取材日記:第3弾

シリーズ化してまいりました?!
カブの取材日記第3弾です!

山城店にイタリアから直輸入したピザ窯が入ったということで早速お邪魔してまいりました。
今回も山城店の植木シェフに密着取材させていただきました。
お忙しい中どうもありがとうございました。

「お願いしまーす!」と厨房に一歩踏み入れるとど真中に存在感のある大きな薪窯!
ホールからもしっかり確認することができます!

真っ赤なタイルを貼ったオシャレなボディはガンダムの【シャア専用ザク】を思わせます。
そして両手を広げても抱えきれないくらい大きな窯の前はサウナのような熱気です!

「すごい熱ですねー!これは夏場大変ですね!」
「痩せるよー。こっちで働いたらいいよ。」
・・・ん??何か言いましたか?(笑)

こちらの薪窯で焼くのはコルニチョーネと呼ばれる額縁の部分がふっくらもちもちとしたナポリピザ。

11:00~14:00のランチタイム、そして17:00~20:00の間限定でご注文頂けます。

約2時間前に火を入れてからは常時集中して窯の中の状態を維持しておかないと
気が付くと温度が下がっていたり、火が消えてしまったりするそうで、
「手のかかる子供みたいですね。」なんて話をしました。
手のかかる子程可愛いものです。

写真のように左側に薪が集められ、右側でピザを焼くようです。

使用する薪はだいたい1日30Kg前後。
次の注文は700Kg!というのですからまたスケールの大きい話です。
毎日何度も何度も、気の遠くなるような試作の結果選抜されたメニューは3種類。

●トマトソース(マルゲリータ)
●バジルソース(いか・なす・トマト)
●クリームソース(4種のチーズ)

今回は一番人気のトマトソースのピザを作っていただきました。

「何が一番の売りですか?」なんて単刀直入で安易な質問ですが、
「やはり一番は生地となる粉かな」と植木さん。
厳選を重ねた結果、イタリアから輸入した小麦粉を使用。
一般的な粉と比べると値段は2倍も3倍もするのだとか。

その差がどう出るのかは試食の際のお楽しみにして、
次の日のピザの仕込みと合わせて工程順に見せていただきました!

ピザ専用の大理石の台でくるくるっと手際よく丸められた生地。
テニスボールより小さいぐらいだった生地が2時間の発酵で肉まんくらいの大きさに膨らみます。

それから冷蔵庫で十数時間、また常温に戻して2時間と
仕込みにかかる時間も相当なものです。

マンガみたいに大きなヘラ。こちらが挿入パーラー。
これで炉床(ろしょう)と呼ばれる窯の中へピザを運びます。

回転パーラーという回転棒に持ち換えて
ピザを器用にくるくるっと回すとさっとチーズが溶けてゆき、
火のある左側には美味しそうな焼き色が付いていきます。
じわーっと滲み出るように焼き目が付く様子はまるで魔法のようです。

そしてまたくるくるっと回すとそこにも焼き目が。
すぐに焼き色が付くということはそれだけ一時も目が離せないということ。

時計の秒針と回転パーラーの先とのにらめっこです。
長い1分半です。
声をかけられない程集中しているのが伝わってきます。
高温で手が真っ赤になっています。
そして「今だ。」
と窯から素早く取り出してマルゲリータの完成です!

焼きたて熱々のピザを試食させていただきました。

美味しいー!

なるほど一番のこだわりポイントである粉の風味が全然違う!
粉の香ばしい香りが口の中いっぱいに広がります。
薪で一気に焼くというのも香りの良いポイントなのでしょう。

コルンチョーネと呼ばれる耳の部分が外側さくさく中はもっちり!
フレッシュトマトとモッツァレラチーズとバジルという
シンプルな具材の組み合わせにぴったりの生地です!

植木さんからは
「今現在できる一番美味しいピザを提供させていただきます。
しかしまだまだ発展途上だと思って下さい。」
と、満足することなくこれからも進化し続けるという熱い言葉をいただきました。

その一方で
「あと2、3年したらもっと話せる事があると思うんで・・・」
勉強して、経験を重ねていく事でしか答えはないのだと
少ない言葉の中に深い意味が込められた謙虚な言葉でした。

新しいことに挑戦し続ける強い心、
変化することを恐れずに良いものを追い求めていくその姿勢に、
初心を忘れていたのではないかとハッとしたカブでした。

植木さん、山城店のスタッフの方々、お忙しい中どうもありがとうございました!

暑い夏に熱い思いで焼き上げた熱々のピザ!
TOKUSHIMA COFFEE WORKSの新しい看板メニューが生まれそうです!

カブ