エチオピア2

徳島は久しぶり(だと・・・思うのですが)に雨。

エチオピアの乾いた大地と、子供たちの笑顔が思い出になりつつある。自分の中で今回の旅行がどういう意味合いのものであったのかも冷静に考え、少しずつ消化できるようになってきた。

ベテノ地域(ハラー)のAbyssinica Tree は7m以上もあり、その苗木作りは、種を蒔き、木の枝で覆っただけのものであり、乾季も水も与えず発芽して成長出来ものだけが苗木として植え替えられ、逞しく育っていく。エチオピアの土に根付き、個性が出来ていく。自然のまま。品種改良されるでもなく、化学肥料を与えられる事も皆無である。一次精製は各小規模農園任せ。エチオピアのコーヒーを我々が日本に居て介在出来る事と言えば、輸出業者(今回はモプラコ社のヤンニさん)との情報交換と信頼関係、二次精製の過程でのオーダーぐらいである。

今、日本でのコーヒーはオークションものが(我々の様な自家焙煎屋に)大人気である。確かに「旨い」と言うひっくくりの中では評価できるものであるが、「オークションの上位に入ったコーヒーだけがコーヒーではない。契約された農園はオークションに出す意味合いも無く、その数量は一握りにも満たない。」と言う事をあらためて思い知らされた。嘗て日本酒は「旨い」と言うひっくくりの中で吟醸、大吟醸を作って行った。それは結果、『その土地の個性を否定して同じ味に向かったいった・・・』と言うのを聞いた事がある。『ワインはその土の特性が出ているものが良質という評価を受ける・・・』エチオピアは壮大で過酷で、弱肉強食でナチュラルである。コーヒーもそして人間も。日本の我々、自家焙煎業界もまだまだ時間、歴史が足らないと言う事を再認識できた旅行でもある。

写真はモプラコ社ダラデワでの精製風景。