また、コーヒーの深煎りに嵌まっています。
何度目か数えたことはありませんが、「また」深煎りに帰って来ました。
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今、世界的にコーヒーは浅煎りの傾向にあります。
これは“サードウェーブ”と言われているコーヒー店の影響です。
サードウェブとは、スターバックスに代表される“シアトル系(セカンドウェーブ)”に続くコーヒーカルチャーで、現在世界的ブームになっています。
日本には元々コーヒー専門店、自家焙煎店があり、大いに盛り上がった時期がありました。
世界各地のスペシャルティーコーヒーのテロワール(品種・その土地の生育環境・生産方法)を楽しむ、というのが今風と言われていますが日本では今に始まったことではありません。日本の焙煎、抽出などの技術も世界をリードしていますし、提供されるサービスも世界に誇れるものです。
このような日本のコーヒー文化がアメリカや北欧のバリスタの感性・店づくりに大きく影響を与え、“サードウェーブ”としてリメイクされて逆輸入され、再び日本で流行しているというのが本当のところでしょう。
浅煎りにすることは、コーヒーが持つ本来の個性・良質な酸味(アシデティー・香りを含んだ酸味の質感)を楽しむということです。
それには全く異論ありませんが、コーヒーのメニュー全てが浅煎りと言うのは寂しいところでもあります。「苦味」「喉ごし」「コク」など、日本で我々が使いなれた表現も使われなくなってしまいました。
こうした世界的ブームの影響で、コーヒー生産者もタイムリーにバリスタと情報を共有し、良質なコーヒーを生産しているという嬉しい傾向がある反面、其々の生産国のコーヒーそのものの個性が無くなりつつあるのも事実です。
また、我々が求めている品種、「ティピカ種」、「ブルボン種」の生産が極端に少なくなっている寂しい現状があります。
生産者、消費者共に、極端に流行だけを追いかけた結果でしょう。
しかし、長い目で見ると、これも歴史の1ページでしかないのは明白です。
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以前から「世界共通で美味しいと感じるコーヒーはあるのか」という素朴な疑問を持ち続けています。
美味しいと感じるベース・概念が違っているのに、誰かが美味しいと言いだすとそれが美味しいという評価になるのは正しいのかどうか。
日本国内だけで見てみてください。各地で味付けの特性があり、関西・関東で食の好みがわかれるのもご存知の通りです。もっともっと小さな単位、家族で同じ食卓を囲んでも、それぞれ好きな味は違います。
では“世界共通で美味しい”は・・・?
酸っぱいだけのコーヒーを美味しいという業界人が宇宙人に見えたとき、私はそれはそれとして、深煎りに帰り、嵌まるのです。
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「深煎り」。そもそも私がコーヒーにのめり込んで行くきっかけはそこにありました。私自身が宇宙人になっていたり、流されたりしながら、ふと我に返って原点に戻ります。
焙煎方法の一つに“長時間焙煎”と言うのがあります。最初の蒸らしと言われる時間帯、コーヒーにストレスを与えながら(と言えばいいのか)、じっくりと、ある時間まで火を絞り、煎り手の意思を伝える煎り方です。
単純に“煎れるように”煎り上げた時とは、明らかに香味が変わります。
そうして煎り上げた豆をたっぷりと使い、ネルドリップで一滴一滴じっくりと淹れる一杯のコーヒー。
今は、日本でも段々と少数派になりつつあるのもしれません。
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オンラインショップに「深煎り専門店」という名前で深煎りの豆を揃えました。
全てご注文を頂いて焙煎します。
楽しいですね。