焙煎記録

焙煎記録

初詣から戎さん・・・商売繁盛から、旨いコーヒーが煎れます様に・・・その他色々と無理難題をお願いして、気がつくともう13日。
平日のゆっくりとした気分で久しぶりに焙煎をする。とりたてて今必要な豆は無いのですが、自分用の豆を煎る、と言ったところ。
「一番好きなコーヒーは・・・ブラジル」は以前にもお話させていただいので省くとして、やはりブラジル。

下坂農園のブルボンピーベリーを焙煎する。今日は『長時間焙煎』にしてみる。いつもより火力と排気を抑え、少しずつ水分を抜き、緩やかにローストして行く方法。40分程の工程になる予定である。通常の焙煎時間は17分前後であるのを比較するとコーヒーの持っている力が試される焙煎になる。
ピーベリーとはコーヒーの木の先端に出来やすい丸い形状の豆でサイズも小さい。通常の豆はフラットビーンズと言われている。下坂農園のブルボンピーベリーは濃厚なトロッ~とした味わいと甘みが特徴である。一般的に形状、或いはサイズで味の比較はできないが、出来うる限り同じサイズの方が火の通りも均一になる。
予熱に30分。200度を維持しているのを目安に投入。26分で一ハゼの温度。通常であればパチップスッ、と豆が『ハゼました』と教えてくれるのであるが、何の反応もなし。色合いだけは通常と同じである。排気も少ない為、若干煙も釜に残っているが『スモーキーな味・・・』は、あまり歓迎されない味であるので、そうならない様に細心の注意を払う。上り詰めて膨らまないない火力に、ある頃合まで調整し続ける。煎り手の意図を伝える作業になる。『いじめる』と言われている。
昔はコロンビア、グァテマラ等の硬い豆に使われていた手法と聞いている。二ハゼの温度に合わせていじめをやめる。今度はいじめから開放された喜びを表現しているかのように、一斉に二ハゼを迎える。またここでオイルを出さない様に火力を押さえ込む。大量の煙。温度を絶対に下げない様細心の注意を払いながら排気をする。
二ハゼも終わり、薄っすらとオイルを身にまとい、「艶けし?薄墨?いや・・・もっと奥行きのある黒」になった豆を冷却槽に出す。
鈴の音がしている。10日程このまま容器に入れ保管する。至福の一杯になることだけを「祈願」して・・・??